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近年、オンライン環境の整備が急速に進む中で、働き方改革を進めるためのDX(デジタルトランスフォーメーション)を進める企業が増加しています。 さらに2020年以降、コロナ禍が想像以上に長引いているともあり、多くの企業でDXが緊急課題となっているのが現状です。 現代ビジネスでは、IT(情報技術・Information Technology)技術を効果的に活用し、自社の競争力を高めなければ、競合他社との競争に勝つことが難しくなっています。 しかし、多くの企業でDX化が思うようにできないという課題があります。 そこで今回は、DXの進め方や導入事例について徹底解説します。 この記事を読むことで、企業のDXの実現に向けた取り組み方や導入方法がわかります。 企業の経営者や運営に携わる方は、ぜひ参考にしてください。

DXの成功事例3選

DXやIT化と聞いても、その実態はわかりにくいことが多いでしょう。そこで、DXの具体的な事例を3つ紹介します。そしてこの例を参考に、あなたの会社でも導入できそうなDXを創造してください。

メルカリ

インターネットでの個人売買を容易にしたのが「メルカリ」です。メルカリが登場する以前にも、インターネット上にはフリ―マーケットはありました。しかし、売買にあたって実名などの個人情報が必要であったため、気軽に個人売買するにはハードルが高かったと言えます。そこでメルカリがDXを進め、匿名で売買できるシステムやメルペイなどのスマホ決済サービスを提供し、インターネット売買を気軽に安心してできるシステムを構築しました。

マロニエゲート

マロニエゲート東京の銀座にある商業施設を運営する企業です。マロニエゲートでは、DXを進めるにあたり、従来の会員カードを廃止してスマホアプリに切り替えました。 カード会員の頃は、会員向けのDM発送を実施するだけで毎年数千万円のコストがかかっていました。また、店内の各店舗が独自のPOSシステムを導入していたため、顧客や売上データの管理が一元化されていないことも課題となっていました。 そこで古いシステムを一新し、新たな会員アプリやPOSシステムを導入したことで、顧客データや売上を一元管理し、マーケティングや経理にかかる費用を大幅に削減できたのです。

ソニー損害保険

ソニー損害保険株式会社では、自動車保険にAIを活用し、DXを実現しました。 ソニー損害保険の自動車保険では、運転スキルや運転傾向が把握することで事故リスクの算出するシステムを導入し、AIを活用したスマホアプリによる「運転特性連動型自動車保険GOOD DRIVE」を提供しています。 これは、スマホアプリを経由して運転中のデータを収集、分析することで、運転手の事故リスクを算出します。そしてAIが安全運転と判断した運転手に対し、保険料のキャッシュバックを行うサービスが誕生しました。

DXとは?IT化との違いを具体的に解説

次にDXとIT化の違いを簡単に説明します。DXとIT化の違いは、DXが「目的」であるのに対し、IT化はDX化を果たすための「手段」となります。 PCを使い、企業の営業や経理データを管理しているから、わが社はIT化やDXができていると考える経営者が少なからずおられます。しかしPCでデータ管理することは、DXではありません。ここでは、DXとはなにか、またIT化とDXの違いを具体的に解説しましょう。

DXとは

ビジネスにおけるDXとは、デジタル技術を活用しながら「ビジネスに関わる取り組み方をより良くするための施策」のことです。 現代では、インターネット環境が整い、だれもがPCやスマートフォンを使用しています。このような中、各企業のビジネスモデルにDXを導入することにより、マーケティングや業務の効率化、コストを削減することはもちろん、働く人々の生活や価値観が変わると考えられています。 そこでDXを進めるためには、ただITを取り入れるのではなく、組織全体で既存の考え方や仕事に対する取り組み方を根本から変えなければならないのです。 つまり、社内のITシステムだけでなく、顧客とのやり取りなど、すべての業務を見直すことがDXへのスタートとなります。そのため、DXでは、自社にある既存のシステムや新しい技術を理解することが重要となります。

IT化とは

ビジネスのIT化とは、既存のアナログ情報をデジタルに変換することを言います。ただし、デジタル化した情報をより効率的に仕事に活かさなければ、IT化の成功とは言えません。 たとえば、せっかくエクセルで管理した帳簿書類をプリントアウトした紙媒体で共有していては、時間もコストもかかってしまいます。そこでオンラインでクラウド管理することにより、常に全員が最新の情報を共有可能となります。 このように、IT化を進めることで常にスピード感を持ちながら正確な最新情報を共有できるため、今日のビジネスではこれまで以上にデジタル化の重要性が高まっているのです。

DXの目的は?企業の競争力アップと業務の効率化がポイント!

企業がDXを進める目的は「企業の競争力アップ」と「業務の効率化」にあります。次に、この2つのポイントを解説します。

企業の競争力アップ

企業がDX化によって競争力をアップさせられる理由は、デジタル技術を使い新たなビジネス展開を始めたり、既存のビジネスにITを導入することで、サービスの質を高めることができるからです。特にWeb広告は、企業だけでなく個人事業でも広く普及し始めています。費用をかけてさまざまなサイトに広告を出すリスティング広告以外にも、SNSを活用するなど、企業の規模や目的にあわせた運用ができるのが特徴です。その他にも、企業のブランディングなど、DXによる企業の競争力アップが欠かせなくなっています。

業務の効率化による生産性の向上

DXによる業務の効率化は、生産性の向上に役立ちます。これまで紙などを使って行っていたアナログな業務管理をデジタル化することで、作業時間の短縮や人員コストの削減が可能となります。特に人事に関する業務がDX化されることで、付加価値の高い業務へ人材や時間を投入でき、戦略的な業務改革を推進できるでしょう。

いまDXが注目されている理由は「企業が生残るため」

現代のビジネスでは、企業の規模に関係なく、業務に関わるコストの格差が急激に拡大しています。このような状況下において、生産効率の向上やコストの削減といった従来の業務改善を行うだけでは、企業が生き残ることができません。 そこで企業各社がDXを進め、新しい価値観のもとで、社会を創造しなければならないのです。企業がDXに取り組む理由は、DXの実現が企業の存続にマストであり、生き残るために必要だからです。 また企業のDX化には、国が「IT導入補助金」を出すなど、積極的な支援を展開しています。

DXを進める4つのメリット

DXを推進することは、企業にとってさまざまなメリットがあります。ここでは企業のDX化による4つのメリットを紹介します。

企業競争力のアップ

DXのメリットの1つは、先にもあげた企業競争力がアップすることです。広告運用や営業、人事管理など、DXにより効率良く戦略を実行できるため、企業の競争力の向上に期待できます。

業務効率と生産性の向上

DXを進める際には、業務のIT化が必須となります。そしてIT化による業務の効率化が進み、結果的に生産性が向上します。企業のアナログ業務をIT化していくことで、時間やコストの削減を期待でき、より付加価値が高い業務に注力できるでしょう。

新しいサービスの開発

DXを進めていくと、これまで見えていなかったさまざまな顧客データを取得できるようになります。このデータを基に、新しい商品やサービスの開発が可能となります。既存の製品を基に、コストをかけずに新商品を開発できれば、企業の競争力も高まるでしょう。

働き方改革

DX化は働き方改革にも役立ちます。業務の効率化に伴う時短だけでなく、IT化によるリモートワークが可能となります。企業のDX化によって、企業のオフィス縮小や経費の削減にも大きな影響があるでしょう。

まとめ

このように、DXは、企業が生き残っていくために必要不可欠な施策であり、目標であることがわかりました。DXを推進するためには、単に業務をIT化するのでなく、社内や社外と連携した取り組みによる新しい業務プロセスの導入が必要となるのです。 そこで経営者は、DXに向けて入念な事業計画を立て、全社的な取り組みを進めていきましょう。
2022/03/03 22:27

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